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  松戸駅前囲碁サロン紹介
       ( GO-NET囲碁サロン)
               郷 たける

 上野駅から常磐線に乗って20分ほど行くと松戸駅に着く。
 東京都と千葉県を区切っている江戸川の鉄橋を渡るとひときわ高い展望レストランのあるビルが見えてくる。
 ゆるやかな曲線を描きながら電車は徐々にスピードを落としてゆく。
 初めて松戸駅に降り立った人はその人混みの多さに一様に驚く。
 きっと思っていた以上の都会を感じるのだろう。

 松戸市は伊藤左千夫の「野菊の墓」で有名な「矢切の渡し」がある。
 何の設備もないただの貧弱な渡しがあるだけで、「野菊の墓」に出てこなければ誰も知る人はいなかったと思う。
 その向こう側は皆さんもよくご存じの寅さんに出てくる参拝客のたえない柴又帝釈天がある。
 もう一つ松戸の名所を上げれば、もうかなり以前のことだがNHKの大河ドラマで取り上げられた最後の将軍・徳川慶喜の弟君の昭武の住居が今もきれいに保存されていて美しい庭につつましく「戸上館」が建っている。和風上流建築として国の重要文化財に指定されている。


 その様な松戸市の駅前から歩いて1分の所に松戸駅前囲碁サロンはある。
 正式な名前は GO-NET囲碁サロンという。
 ここの主人は約20年前、日本で初めてパソコン通信の碁を開発した人で、蒲原という。お客様始め GO-NETの会員さんは皆一様に社長と呼んでいる。
 スキンヘッドに少し視線はきついがどことなく暖かさのにじみ出た中背でやや痩せ気味のきさくなおじさんだ。
 一見武宮九段に似ている様でもあり、団十郎に似ていると言った人もいる。
 本人はまだ若いつもりでいる、言うこともやることも気分はまだ40代ってところだ。
 碁が好きなことは勿論だが、碁以上に歌が好きだ。歌なら一日中歌っていても飽きないそうで、いやがるお客をひっぱってカラオケに連れてゆくのが趣味になっている。今までに被害にあった客は数知れない。
 更に話をさせれば、経済や歴史から科学、芸術さらに宇宙や哲学まで何でも乗ってくる。別に博学ということではない。要するに好奇心ないしは野次馬根性が強いということで、その様な話題には興味を持って人の話をよく聞くタイプといった方があたっている。
 ただしスポーツの話になると弱い。
 関心が無い訳ではないが、前述の内容に関心がありすぎてスポーツを見たり聞いたり読んだりする暇がない、といったところだ。
 政治と宗教の話になるとほとんどしない。
 しないように心がけている様なところがある。何故なら商売には政治と宗教の話はタブーであると強く思っている。
 ただし、ごく親しい仲になるとゆずらない頑固なところもある。


 社長の紹介はこれくらいにして、次は井川に移ろう。
 年のほどは未だに不明だが、 GO-NETの初めから縁の上の力持ちとして、 GO-NETを支えてきた女性だ。
  GO-NETの古い会員さんの中には彼女のことを会長と呼ぶ人がいる。又「大事なことは井川さんに言えばいい、社長ではダメだ」と言う人も数多くいる。
 又 GO-NETサロンに来るお客の中にはママさんと呼ぶ人もいる。
 要するに GO-NET界隈では社長より存在が大きいということと、目立ち過ぎるということで縁の上ということになる。
 井川は又歌が好きだ。社長に負けず劣らず好きで、彼女の歌を聞いた人はプロ級と褒める。外交辞令も多少は有ると思うが演歌を歌わせたら、あの小さな体のどこから出るのかと思うほど、素晴らしい声で歌う。
 18番は都はるみの演歌だ。
 しかも碁も少々打つ。サロンでは一応5段格で打っている。一応というのはお客様は年配者がほとんどで、対局後半になると疲れてバタバタになる人が多いのだが、そういうこともあり逆転して勝っているようなケースが結構多い。
 序盤の打ち方が平易な石運びなので、初めて打つ人は弱いのかなと思うらしく、後半じわじわと力を出すタイプなので、目測を誤るとやられてしまう。
 普通、女性の碁は激しいと言われるが、その点は反対だ。
 井川の特長として良く気が回るところがある。社内でも、お客に対しても、時にはうるさい位気働きがすごい。特に気を遣っている訳ではない。自分の地をそのまま出しているといった方が正確だ。


 次に進もう。  吹上博之という40前の男がいる。
  GO-NETでは、お客様の対局に関しての一切を一手に処理している。
 大会や例会や、他、青少年の対局の推進の為の実務のすべてを行っている。
 碁は強い。小学生の頃からやっていたということで、 GO-NETの本場所では関脇か小結といったところ。本人は大関の力はあると密かに思っているかも知れない。
 この男は又、実に女性にモテそうな雰囲気をもっている。テレビに出してもいい位だ。学校の教師役で出演させたら、きっと韓流のヨン様にも負けないだろう。
 サロンで級位者教室を開いているが、おばさんに良くモテる。
 子供教室の母親にも何かと相談されているみたいだ。社長の持っていないいいものを全部もっている。
 話をさせると更に面白い。身振り手振りで顔の表情豊かに目や鼻や口までひん曲げて話す様は、腹をかかえて涙が出るほどだ。
 とりわけ得意分野は囲碁界のエピソードで古典から現代まで色々なことを良く知っている。
 道を間違えたんじゃないかと思える位で、 GO-NETで食えなくなったら、吉本興業へ派遣して稼いでもらおうという話は社長の方からまだ出ていない。

 緑星学園通信部を十年位前から行っている関係で、菊池先生の所へは良く出はいりしている。
 社長位の年齢以上の囲碁ファンにとっては神様みたいな人で話をするだけでも光栄と感じてしまうものだが、その点吹上は若いせいか又本人の性格のせいか普通の気のいいおじいちゃんと話をするかのように気楽に接している。まあ、それはそれでいいかと社長も思っている。
 年に一度、緑星学園の生徒達と通信部と併せて夏の合宿をおこなう。
 
緑星学園出身のプロも数名参加して子供達と接する。  この時居なくてならない存在が吹上だ。菊池先生の信頼も厚く、又何より子供達から慕われる。その辺りは天性の素質を持っているとしか言いようのないところだ。
 本人はさほど努力している様子も無い。  井川が地で仕事をしている様に吹上も地で仕事をしている。  仕事というより、好きなことをやっていると言った方が正しいかも知れない。



  GO-NET囲碁サロンにはもう一人女性がいる。
 吉井という比較的若い女性だ。 GO-NETの請求書発行やお客様の電話対応等、業務を井川と共にやっている。
 まだ入社2年に満たないが良く気が付く性格でどんなことでもそつなくこなす。学生の頃はスポーツをやっていたそうで、身の丈170pはあろうかと思える立派な体格をしている。
 サロンのお客様へのお茶の入れ方も話の対応も仲々そつが無く、何かと彼女に話しかけるオジサンも多い。
 お茶を出した後、去ってゆく後ろ姿なんぞはほれぼれするくらい魅力的だ。誤解されないようにあえて言っときますが、前姿は、更に素敵です。


 という様な訳で当囲碁サロンは清潔感のある明るい開放的な雰囲気に満ちている。
 碁盤は禁煙席で17面ある。
 この禁煙と言うところが、何と言っても素晴らしい。私も以前は、かなりのヘビーだった。あることがあってピッタシと止めた。
 今では少しでもタバコ臭いと気になる。碁どころではなくなる。
 その点をここの主人は良く配慮している。しかし愛煙家はタバコがないと力が出ない。そこで喫煙室があり、煙が流れ出ない様に別室になっていて、2面ありここでも対局できる。

 サロンのシステムは点数制になっている。
 最初は自己申告で点が決まる。
 例えば、初段は280点から始まり14点の幅をもっている。五段は336点から始まる。勝敗により1点づつ上下する。
 互先の場合は日本棋院に従い黒6.5目コミ出しとなる。
 営業時間は基本的に平日は午後1時から午後9時までだが、アイ・システムの事務所とつながっているので、朝10時からでも打てる。
 土日祭日は午後1時から午後7時までとなっている。予約すれば、朝10時からでも良い。融通のきくところがいいところだ。

 毎月一回第4日曜日はサロンの大会日になっている。ハンディ戦で4局打つ。低段者でも優勝や8位までの入賞のチャンスがある様に、ここの主人は上手に組み合わせをしている。
 普段はリーグ戦を段位対局で行っている。2ヶ月単位で面白い順位の付け方をする。
 又第3日曜日は GO-NET(ネット)の会員のトーナメント大会を行っていて、サロンのお客も参加することができる。ネットではいつも何かの大会、例えば本場所やリーグ戦や昇段戦等を行っている。

 毎週水曜と金曜は指導員が来る。豊田融という。
 中学生の時中学生チャンピオンになったこともあり、今年千葉県チャンピオンになった。 GO-NET本場所の大関を努めている。
 口べたで朴訥な男で一所懸命に打つ。お客さんからは好感を持たれている。30を1つ過ぎた独身だ。
 お客様の大半は60才以上で、棋力は二段位から六段位までが多い。又週二回ほど吹上の級位者教室も開いている。

 お客様は月、水、金と多く、火、木、土、日と少ないが、少ない日でも必ず対局相手はいます。
 社長の蒲原、又は井川、それに最近吹上の父君が定年を迎えて、しばらくサロンの手伝いに来ている。相手不足の時は3人の内誰かがお相手するというシステムになっています。又どんなに強くても弱くてもネットを使えば必ずお相手がいます。
 又このサロンの特長として、蒲原の趣味で集めた書籍と囲碁の本、ビデオ又マンガ本が多数おいてある。
 その本棚を見たあるお客さんは「一本筋が通っている」と言った。
 「社長は右翼ですか」と言った客もいる。本人は「日本人として正しい考えをもっているだけです」と笑う。
 中にはお客様からの寄贈を受けたものも多数ある。どれでもお客様に無料で貸し出しもしている。
  GO-NET囲碁サロンはこんな碁会所です。
 皆様是非一度お出掛け下さい。お待ちしています。



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